中国データ入力の事例
中国データ入力の成功事例と中国データ入力の失敗事例を通じて
携帯電話の申込書、各種請求書など毎月多くのデータが発生しており、これらのデータ入力は膨大な作業量です。最近では、中国で日本企業からデータ入力を請け負うことが多くなっており、割安なコストで大量のデータ処理が可能な中国データ入力が注目されています。今回は、中国データ入力の成功事例と中国データ入力の失敗事例を紹介していき、中国データ入力を成功させるポイントを考えていきます。
中国データ入力の成功事例
遼寧省の省都、瀋陽にある「NTTデータ」の中国データ入力拠点では、日本の保険会社から保険金や給付金の支払業務を請け負い、保険契約者が手書きした提出書類の内容をパソコンで入力しています。作業者約500人で1日平均7万6,000枚分のデータ入力を行います。重視しているのはスピードだけでなく、正確さです。日本人でも判別が難しいくせ字で手書きされた医師の診断書を正確に読み取るため、医学用語についての講義と漢字テストが定期的に実施されています。これによって、作業者たちは3カ月かけて7,000語以上の専門用語を覚えます。「心膜炎」「近視矯正手術」など漢字の医学用語はもちろん「cough(せき)」など医療関連の英単語や「ギプス」「ドレナージ」といったカタカナまで習得し、誤字率を0.01%以下に抑えることに成功しました。
続いて、中国データ入力の失敗事例を見ていきます。
中国データ入力の失敗事例
メリットがある中国データ入力ですが、注意が必要です。2008年にマイクロフィルムの年金記録「旧台帳」1,466万件をパソコンで照会できるよう、約1,600人の派遣アルバイトがデータ入力を行いました。しかし、入力者に中国人約60人が含まれており、「日本語を話せるし、漢字も書ける」スキルがあったにも拘らず、実際には大量の転記ミスが発生し、約9日間に入力された20万件ないし25万件を全てやり直すはめになったそうです。
原因は、姓と名の分け目を間違えたり(「金田」を「金」としたり)、旧字体やひらがなを読み取れなかったからでした。単純な内容に思えても、実はローカル感覚が必要な場合があります。
事前の研修をしっかり行うか、日本の業者に依頼をするほうが無難といえます。中国データ入力の成功事例を見習って、正確なデータを低コストで手に入れたいものです。